・暑熱順化が進むと体内の熱を拡散しやすくなる
人の体は徐々に暑さに慣れさせることで、暑い環境に耐えられるようになっていきます。この仕組みを「暑熱順化」と言います。暑熱順化が進むと、皮膚の血管が拡張して体の表面から熱を逃したり、汗が蒸発することで熱を逃したりして、体温を下げることができます。
通常、本格的な暑さが始まる梅雨明けまでには自然に暑熱順化されます。しかし、寒暖差が激しかったり、在宅などでずっと家の中にいて汗を流す機会が少ないと、暑熱順化が進まないことがあります。その状態のまま気温が急に高くなると、体内の熱を逃せず、熱が体内にこもって熱中症を起こしやすくなります。
・普段から適度に汗をかこう
本格的な夏が来る前の時期から、暑さに強い体を作っておく事は熱中症予防につながります。
体を暑さに慣らすには、軽く汗をかく程度の運動が有効です。30分程度のウォーキングや15分程度のジョギング、忙しくて運動する時間がない人は、40度程度の湯に汗が出るまで浸かる。
運動や入浴の前後にはコップ一杯の水を飲む、暑い日は日中の運動を避けて気温が下がる夕方以降に行うなど工夫することも大切です。
・室内の湿度が高くなりすぎないよう調節
この時期は気温だけでなく、湿度も高くなります。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温が下がらず熱中症を起こしやすくなります。エアコンや除湿器などで工夫して、湿度を下げるようにしましょう。
喉の渇きを感じる前に水分の摂取も大切です。高齢者は喉の渇きを感じにくくなっているので、時間を決めてこまめに水分補給しましょう。
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